がん治療後も定期検査を受けていますか?

手術でがん病巣を取り除くことに成功しても、ごく小さながん細胞のかたまりが残っていると、がんが再発する場合があります。がんの治療が成功した後も、定期的に検査をする必要があるのはそのためです。今回は、治療後の定期検査の意義と具体的な内容についてご紹介します。

再発を早期発見するために

がん治療では、早期発見が大切だと言われていますが、これは再発においても同様です。

例えば、大腸がんでは再発の95%以上は手術から5年以内に診断されています。大腸がんは、再発を早期に発見できれば、治療法の選択肢も多く、手術で取り除ける可能性が高いと言われています。

外科療法が確実な治療法であるとされている肝臓がんは、再発しやすいがんでもあり、治療後3~5年以内に約8割が再発するとも言われています。遠隔転移ではなく、肝臓に再発する場合が多いという特徴があり、手術が有効な場合には再手術が第一の選択肢となるでしょう。したがって、肝臓がんの再発も早期に発見することが重要になります。

乳がんの場合は、骨転移のように遠隔転移の部位によっては、早期発見がQOL(生活の質)の維持に大きくかかわることがあります。また、最近の医療の進歩は目覚ましく、再発の早期発見が乳がんにおいても有効である可能性も出てきたため、術後の定期検診は重要だと言えるでしょう。

定期検査のスケジュール

それでは、標準的な定期検査のスケジュールをご紹介しましょう。医療機関や病状等によっても異なってきますので、担当医の指示に従って受けるようにしましょう。

  • 乳がん

診察および血液検査は、治療後2年までは3カ月ごとに、3~5年間は3~6カ月ごと、その後10年まで1年ごとにあります。胸部レントゲンまたは胸部コンピューター断層撮影検査(CT)は治療後5年まで6カ月〜1年ごとに、10年までは1年ごとに行われます。乳房超音波検査は治療後2年まで3〜6カ月ごと、5年までは6カ月ごと、10年まで1年ごとにあります。骨シンチグラフィー、肝超音波検査または腹部CT、マンモグラフィーについては治療後10年間、毎年行われるスケジュールが一般的です。

  • 大腸がん、直腸がん

大腸がんの手術後の標準的な定期検査のスケジュールは、次のとおりです。問診・診察が手術後3年間は3カ月ごとに、3年~5年間は6カ月ごとに行われます。手術後3年までは、腫瘍マーカーを見る血液検査が3カ月ごとに、3~5年間は6カ月ごとになります。また、手術後5年までは、胸部CTあるいはX線検査、腹部CTあるいは超音波検査があります。直腸がんの場合には、手術後3年までは直腸視診が6カ月ごとに、大腸内視鏡検査が1年に1回あります。結腸がんの場合も、大腸内視鏡検査が1年目と3年目にあります。また、骨盤CTも直腸がんの場合は、手術後5年間は6カ月ごとに行われます。

  • 肝臓がん

治療後1年間は血液検査を1カ月ごとに、超音波検査、CT、磁気共鳴画像検査(MRI)を3~4カ月ごとに受けるとよいでしょう。1年経過後も、検査が3~6カ月ごとに行われます。

  • 甲状腺がん

手術後2年間は3カ月ごとに、2~3年間は6カ月ごとに、超音波検査、骨シンチグラフィー、CT、MRIなどが必要に応じて行われます。甲状腺の全摘術を行った場合には、サイログロブリン(Tg)検査が行われることが多いようです。

  • 前立腺がん

血液中の前立腺特異抗原(PSA)の値を調べるPSA 検査を中心に、経過観察が行われます。外科療法による治療の場合には、治療後2年までは3カ月ごと、4年まで6カ月ごと、その後は1年に一度が標準的なスケジュールだと言われています。放射線療法やホルモン療法の場合には、治療後3年目以降も半年から1年に一度のPSA検査が必要とされています。

その他のがん検診も忘れずに!

これまで見てきたように、がんの再発に関しても早期発見が大切です。治療後少なくとも5年間は、担当医に指示されたスケジュールに従って定期検査を行いましょう。

また、大腸がんを患った人は、治療をしたがんとは別の大腸がんが見つかる可能性が高いとも言われています。治療から5年以上を経過しても、大腸内視鏡検査等を定期的に受けることをおすすめします。

今後、別のがんにかかる可能性もゼロではありません。患ったところだけでなく、全般的にがん検診を受けるようにすると良いでしょう。


参考: