自宅で一人暮らしをするために知っておきたいサービス

日本が高齢化社会と認識されるようになって久しいですが、高齢者の一人暮らしや高齢者夫婦だけで生活を送る世帯も増えています。その理由の1つに、高齢者の考え方に変化があるといいます。たとえば、「子ども家族が近くに住んでいるのはうれしいが、同居はお互いに気を遣うから避けたい」「自由に一人、あるいは夫婦での生活を続けたい」など、自由度や気楽さを優先させるという意見が多いようです。近年は、健常者家族のみならず、がん患者が望む生き方にも同様の傾向が見てとれます。

とはいえ、がん患者が一人で在宅医療、療養生活を送るのは、さまざまな不安があるのも事実。そこで今回は、一人暮らしの在宅療養で直面する問題や不安に対するサポート、サービスをご紹介しましょう。

一人暮らしの在宅療養、何が心配?

病院での治療を終え、自宅での療養を選択した場合、多くの人が不安・心配になったと挙げている項目を見てみましょう。

  1. 体調の急変:急に体調が悪くなり、自力では病院へ行けないときはどうしたらよいのか。あるいは夜中に体調が急変したときはどうしたらよいのか。
  2. 生活環境の適正:衛生的にも管理され、入浴もしやすい施設が完備されている病院と異なり、自宅の生活環境で適切な療養が続けられるだろうか。
  3. 食事・体調管理:自由で気ままな自宅ではあるが、栄養的にも整った食事が用意できるだろうか。自分の体調管理ができるだろうか。
  4. 経済的な問題:生活費、療養費などすべて自分一人でやっていけるだろうか。

住み慣れた地域、住み慣れた自宅での療養生活は、気持ちの安らぎや自由さがある一方で、さまざまな不安や問題と直面することも多いようです。心の安らぎは療養生活において重要な要素でもあります。そこで、こうした問題の解決に役立つ、各種サービスについて見てみましょう。

一人での在宅療養時に活用したいサービス

一人暮らしを続けながら在宅療養を選択した場合、定期的な通院が基本となりますが、訪問診療を依頼することも可能です。そのほか、地域の自治体などが提供しているサービスもありますので確認しておきましょう。

  1. 訪問看護:体調の急変や定期的な体調管理のために利用できるサービスです。専門的な治療に対応できる看護師が主治医と連携しながら自宅を訪問してくれます。体調の相談のみならず、身の回りの世話、医療処置などのサービスも提供してくれます。訪問看護サービスを利用する場合は、主治医に相談し、地域の訪問看護サービスを紹介してもらいましょう。また、かかっている病院で独自に訪問医療を提供しているところもあります。
  2. 介護保険サービス:自宅で入浴などが行いにくい、あるいは一人のときに入浴するのは不安だという方にも利用できるサービスがあります。介護保険制度を利用し、訪問入浴や介護施設に出かけて入浴サービスなどを受けることができます。費用は身体機能の状態により介護認定を受けて決定されます。ただし、40歳未満の人はこのサービスを基本的には利用できませんが、身体機能によっては同等の在宅サービスが提供されることもあります。申し込み、問い合わせは自治体の窓口やかかりつけの病院で相談してください。
  3. 地域包括支援センター:社会福祉士、保健師、看護士、介護支援専門員など、介護サービスに関する専門員が在籍している支援センターです。お住まいの自治体の窓口で相談できます。

食事が作れない、買い物に行けない、洗濯ができない、車いすを借りたいなどの細かな困りごと、経済的に生活に困ったときや在宅療養への全般的な不安などの相談のほか、さまざまなサービスを利用する場合の相談も受けつけてくれます。

まとめ

がんの治療が終わり、療養生活を送るうえで、住み慣れた地域、落ち着ける自宅に戻ることを選択する人は多いでしょう。そのなかには、自宅で一人暮らしを続けながら療養したいという人も少なくありません。自宅での一人暮らしは、不安もありますが最大のメリットは気楽であることです。自由さからくる気持ちの安らぎは療養生活に大切だと多くの人が指摘しています。不安や問題点に対処しながらひとりで快適な療養生活を送るためには、さまざまなサポートサービスの利用が欠かせません。

あらかじめ、地域に用意されている介護サービスなどを調べておき、退院と同時に利用できるよう手続きを進めておくことが大切です。

また、利用しやすい介護施設を調べておき、入浴、食事などのサービスが利用できるかどうかなど、提供されているサービスを把握しておきましょう。

まずは主治医に、自宅にもどったあとはどのように療養していきたいかを早い段階から相談し、スケジュールを立てておく必要があるでしょう。

参考: