どう取り組むのがベスト?がんと美容―男性編―

がんの治療を始めると、抗がん剤などの影響や副作用によって、肌や髪にトラブルを生じることがあります。その対処方法に悩むのは女性ばかりとは限らないでしょう。今回は、スキンケア(髭剃りも含む)やヘアケアに焦点をあてて、トラブルの予防と軽減につながる男性向けのケアについてご紹介します。

がん治療中や療養中に心がけたいケアとポイント

がん治療中や療養中であっても欠かせない洗顔や髭剃りですが、皮膚トラブルなどを防ぐために注意したいポイントがいくつかありますので、以下に見ていきましょう。

  • 洗顔

洗顔は毎日行うものですが、肌の清潔を保つだけでなく、血行を促すことで顔色を良くすることもできます。皮膚トラブルを防ぐためにもとても重要になります。

最近では男性向けの洗顔料も販売されていますが、お湯だけで洗うという人もいるでしょう。発赤、発疹やびらん(ただれ)などの皮膚症状で痛みをともなう場合には、症状が落ち着くまでの間は、ぬるま湯で優しく流すだけで十分です。しかし、それ以外の場合には、皮膚トラブルの原因にもなり得る毛穴の汚れや古い角質、余分な皮脂などをきちんと除去するためにも、適切な洗顔料を使用した洗顔をおすすめします。

洗顔料を選ぶ際には、肌への負担が少ない低刺激性のもの、弱酸性、アルコール不使用、無香料、無着色などの表示があるかどうかを確認するとよいでしょう。含有物について判断がつかない場合には、病院の売店や調剤薬局などでも、肌の状態が敏感な人向けの商品を取り扱っている場合がありますので、そうした商品を使用してみるのもよいでしょう。ただし、使用して違和感、異常を感じたらすぐに中止し、症状が軽くても担当医師に相談するようにしてください。

洗顔方法のポイントは、まず洗顔料をしっかりと泡立てることです。泡立てた細かな泡を使うことで毛穴の中まで洗浄を促したり、肌との摩擦を防いだり、殺菌効果が期待できます。泡立てが面倒だと感じる人は、洗顔料が泡状になって出るポンプ式の洗顔料を使用する方法もあります。しっかりと泡立てた泡を顔全体にのばし、泡で優しく包むように洗うことが肌に負担をかけずに洗顔するポイントです。泡は、ぬるま湯で優しく、残らないように洗い流しましょう。髪の生え際、あごの下は泡が残りやすいので注意して流しましょう。流した後は、清潔な乾いたタオルで優しく、肌を押さえるように、ふき取ります。

  • 髭剃り

皮膚症状がある場合に髭を剃るのは不安に感じます。また、面倒に感じる場合もあるでしょう。しかし、無精ひげがあると汚れも溜まりやすく、皮疹も生じやすくなるため、スキンケアのためにもきちんと剃るようにしましょう。 

髭剃りは、カミソリ、電気シェーバーを使用する方法があります。それぞれ好みがあると思いますが、何らかの皮膚トラブルや出血傾向などがある場合には、電気シェーバーを使用するようにしましょう。カミソリを使用する場合には、シェービングクリームを使用し、切れ味のよいシェーバーで肌に負担をかけないように、肌に、傷をつくらぬように注意しながら剃りましょう。

  • 保湿とUVケア

皮膚への保湿は、皮膚のバリア機能を正常に保つためにも大切です。保湿剤の処方がある場合には、洗顔や入浴などで皮膚を清潔にした後に、時間をあけずにすぐに塗るようにしましょう。皮膚症状が出る前から皮膚を清潔にし、保湿剤を塗っていると、化学療法の副作用による皮膚症状の予防につながることが明らかになっています。

保湿剤を使用する量の目安としては、塗布した部分にテッィシュペーパーが軽く張りつく程度の量を目安にしてください。塗る際には、塗り込んだり、叩き込んだりせずに保湿剤を数か所に分けて置き、それをそっと顔全体に優しく伸ばすように塗ります。

UVケアは肌への紫外線の刺激を防ぐために大切です。外出のタイミングでこまめに日焼け止めを塗り直しましょう。顔だけでなく、耳、首まわり、腕、手先など日光にあたる部分は塗るのを忘れないようにしましょう。日常生活で使用する日焼け止めは、SPF20~30/PA++の表示のある肌への低刺激のものを目安として選んでください。

  • ヘアケア

治療による副作用で髪が抜けることを心配して洗髪やヘアケアをためらう人もいますが、不潔なままでは毛穴のつまりや頭皮の炎症を起こすことがありますので清潔保持を心がけましょう。

使用するシャンプーは、スキンケア同様に低刺激性のものを使用し、しっかり泡立て、爪をたてずに優しく洗いましょう。シャンプー後は、地肌にシャンプー剤が残らないように、ぬるま湯でしっかり流します。

髪を乾燥させる時は、強くこすることを避け、優しくおさえるようにタオルで包み込むように拭きましょう。ドライヤーを使用する際には、できるだけ低温、弱風で使用しましょう。

ブラッシングは、脱毛を心配する人もいますが、髪の絡まりがあると余計に脱毛の原因となりますので、毛先から根元の順に優しくゆっくりととかしましょう。使用するブラシや櫛は、静電気の生じにくい、ブラシの先の頭皮あたりが柔らかいものがおすすめです。

まとめ

がんの治療中や療養中においてのケアも、ちょっとした心がけで、皮膚症状などの副作用を防いだり、改善を促すことにもなります。特別な用具や器具は不要です。どれも日常生活で用いるものでできますので、ふだんのケアを見直して、自ら不快なトラブルを予防していくことに取り組んでいきましょう。

参考: