どう取り組むのがベスト?がんと美容―女性編― 

女性であれば、美容に関心が高いのはごく自然なことでしょう。しかし、お気に入りの化粧品や美容方法があっても、がん治療を開始すると「これまでのスキンケアが合わない」「誰に相談したらいいの?」と迷うこともあるでしょう。
美容には、スキンケア、ヘアケア、エステなどありますが、今回は日常的に行うケアのポイントや注意点についてご紹介します。

がん治療中や療養中に行う美容の効果は?

がんの治療中や療養中は、抗がん剤治療や放射線治療などの影響や副作用によって、皮膚トラブルだけでなく、爪、髪、まつ毛、眉毛にも外見上の変化を受けます。女性には心身ともに苦しくつらい経験ですが、今日ではがん治療に取り組む人向けのさまざまな美容商品も出回り、自分の努力次第でいくらでも美容に取り組めます。そのような商品を活用したり、情報収集や相談サービスを利用した人は、「自分らしくなれる時間をもてるようになった」「気持ちが前向きになった」と感じることが多いようです。がんの治療中は、体の症状によっては美容に気を配るのが難しい場合もありますが、美容に関心を持って取り組むことは外見上の変化を改善するだけでなく、気持ちまでも変化させることができるのです。

美容方法とそのポイント

それでは、日常的に行える具体的な美容方法について以下にご紹介しましょう。

  • 洗顔

発赤、発疹などの皮膚症状で痛みをともなう場合には、皮膚症状が落ち着くまではぬるま湯で優しく流すだけでも十分です。しかし、それ以外の場合にはこれまで使用してきた洗顔料を用いて洗顔を行いましょう。もし、洗顔料が肌に合わない場合には、弱酸性、アルコール不使用、無香料、無着色、肌に低刺激のものを試してみてください。また、病院の売店や調剤薬局などでもアレルギーなど肌の状態が敏感な人向けの商品を取り扱っている場合がありますので、それらの商品を活用してみるのもよいでしょう。

洗顔方法は、肌に負担をかけない洗い方をこころがけましょう。ポイントは、泡をしっかり立てて、泡を転がすように肌を洗い、決してごしごしと肌を擦るような洗い方はしないということです。そして、泡の洗い残しがないようにしっかり髪の生え際や顎も注意して洗い流しましょう。水分を拭き取る場合も、摩擦を生じないように清潔なタオルで優しくおさえるようにふき取ってください。

  • 保湿

皮膚トラブルを防ぐためにも保湿は大切です。肌を清潔にした後に、化粧水で十分に水分を補い、クリームなどで保湿することがポイントです。化粧水やクリームなどを肌に塗布する際にも、強くパッティングしたり、マッサージをしすぎて肌に負担をかけないように優しくのばしましょう。クリームを塗布する量の目安としては、テッィシュペーパーが肌に軽く張りつく程度です。

がんの治療を始めるにあたって特別にスキンケア商品を買い替える必要はありません。もし、これまで使用してきたものが肌に合わないと感じるようなら、下記のタイプからご自分の肌に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。肌に低刺激性であることに加えて水分と油分をバランスよく含む乳液タイプ、肌の中で水分を蓄える成分であるヒアルロン酸・アミノ酸・グリセリンなどを含むもの、肌から水分が蒸発することを防ぐ成分であるワセリン・スクワラン・オリーブ油・ホホバ油などが含まれるものがおすすめです。

  • UVケア

がんの治療中や療養中は特に肌が紫外線に敏感になっている場合もありますので、外出の際にはUVケアをしましょう。こちらも治療前と同様のUVケア商品を用いたケアで十分ですが、違和感のある場合には、肌への負担が低刺激のものや保湿剤を含むものを選択しましょう。

使用する日焼け止めは、日常生活ではSPF20~30/PA++の表示のあるもの、アウトドアなど屋外で長時間日差しに当たる場合にはSPF50/PA+++ 以上の表示が目安です。外出する際には、顔だけでなく日の当たる部位全てに日焼け止めを塗布したか確認するようにしましょう。

  • ヘアケア

ブラッシングや洗髪することに対して、脱毛を恐れる人もいますが、髪の絡まりがあると抜け毛を助長したり、頭皮が汚れていると毛穴の炎症の原因にもなり得ますので、怖がらずに行いましょう。ポイントは、頭皮を傷つけないように優しく洗い、またブラッシングを行うことです。シャンプーは、頭皮に残らないようにしっかり洗い流し、トリートメントなどは毛先のみに使用してください。ドライヤーは、低温、低風量で毛先から乾かすようしましょう。

  • メイク

皮膚トラブルのない場合には、これまで使ってきたものを使用しましょう。しかし、ウォータープルーフなどの商品は、肌に負担の強いメイク落としが必要となる場合がありますので、注意が必要です。肌に合わないと感じる場合には、低刺激性の商品やがんの治療に取り組む人向けの商品を取り扱っているインターネットショップから情報収集したり、担当看護師、美容師などの専門家に相談してみるのもよいでしょう。

化学療法などによる副作用で髪やまゆ毛、まつ毛の脱毛、むくみをともなう場合には、脱毛症状が生じる前のメイクした状態を写真で記録しておくと、副作用が生じた場合でも眉の形を描く参考にできたり、自分に似合うウィッグや髪型を選ぶ助けになります。

参考: