がん再発予防のための食事とは?

がんの治療のあと、気になるのが再発です。がんの再発予防のためにできることがあるならば、ぜひ実行したいですね。がんの予防のために推奨されている食生活や生活習慣の改善は、がんの再発予防においても基本的には同じです。そこで今回は、がんのリスクの関連性が示唆されている食べ物およびがん予防のためにあげられている指針をご紹介します。

リスクを上げる可能性のある食べ物、下げる可能性のある食べ物

どのような食べ物が、がんのリスクを下げると言われているのでしょうか? 2007年に改訂された世界がん研究基金と米国がん研究会協会の報告書「食物・栄養・身体活動とがん予防」の中から、がんのリスクとの関連について示唆されているものをいくつかご紹介しましょう。

リスクを下げる可能性があるとされているもの

  • 果物:

果物は、口腔がんや咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肺がん、胃がんのリスクを下げる可能性が高いとされています。

  • 非でんぷん野菜:

でんぷんの少ない葉物野菜などは、口腔がんや咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がんのリスクを下げる可能性が高いとされています。(いも類、とうもろこし、かぼちゃなどはでんぷんの多い野菜になります。)

  • アリウム野菜:

にら、ねぎ、らっきょうなどのユリ科ネギ属の野菜「アリウム野菜」は、胃がんのリスクを下げる可能性が高いとされています。

  • にんにく:

にんにくも上記に属する野菜ですが、大腸がんのリスクを下げる可能性も高いとされています。

  • 牛乳:

牛乳も大腸がんのリスクを下げる可能性が高いとされています。

その他、葉酸はすい臓がんの、カロテノイドは口腔がんや咽頭がん、喉頭がん、肺がんの、βーカロテンとビタミンCは食道がんの、リコピンやセレンは前立腺がんのリスクを下げる可能性が高いとされています。

リスクを上げる可能性が高いとされているもの

  • 赤肉、加工肉:

牛肉などの赤身の肉や、ハム、ソーセージ、サラミといった加工肉は、大腸がんのリスクを上げる可能性があるとされています。

  • 塩蔵食品、塩分:

塩分は胃がんのリスクを上げる可能性が高いとされています。

  • アルコール:

アルコールは口腔がんや咽頭がん、喉頭がん、食道がん、男性における大腸がん、乳がんのリスクを上げる可能性が高いとされています。また、肝臓がん、女性における大腸がんもリスクを上げる可能性が高いとされています。

  • アフラトキシン

アフラトキシンはカビが産生する毒ですが、なかでもアフラトキシンB1は天然由来では最も強力な発がん性物質と言われており、肝臓がんのリスクを上げる可能性があるとされています。アフラトキシンはピーナツなどのナッツ類のカビとして有名ですが、ナツメグなどの香辛料やトウモロコシ、ハトムギ、そば粉、ナチュラルチーズなど多くの食品から検出されていますので、ナッツ類以外にも食品のカビには気をつけましょう。

  • 飲料水中のヒ素

飲料水中に含まれるヒ素は、肺がんのリスクを上げる可能性があるとされており、皮膚がんに対するリスクを上げる可能性も高いとされています。

食事以外も含めてチェックしたい予防法

では、がんの再発を予防するためには、牛肉を食べたりお酒を飲んだりできないということでしょうか? 肉もアルコールも全くダメなのではなく、節度をもってとることが大切なのです。前出の世界がん研究基金では、がんのリスクに関しての判定をもとに「10項目のがん予防指針」を出しており、そこには摂取量の目安もあげてあるので参考になります。また、項目の10番目には、「がんを患った人は、1~9の推奨にしたがう、あるいは食生活について専門家から助言を受けましょう」とあります。それでは、1~9までを以下にみてみましょう。

1.標準体重の維持
特にウエスト周りのサイズが増えないようにする

2.毎日30分以上の中程度の運動をおこなう

3.ファーストフードなどの高カロリー食品を控える
糖分が多く含まれる飲料も避ける

4.野菜、果物を1日に5種類、400g以上食べる

5.牛や豚、羊などの肉類を週500g未満に控える
ベーコン、ソーセージ、ハムなどの加工肉を避ける

6.アルコールは、男性は1日20~30g、女性は1日10~15gまでとする

7.塩分を控え、1日6g以下に抑える
カビのはえた豆類、穀類などを避ける

8.がん予防目的の健康食品やサプリメントの使用は推奨できない

9.生後6か月までの母乳育児を推奨

アルコールについて、国立がん研究センターがん予防・検診研究センターの「日本人のためのがん予防法」では、1日あたり約23gまでとし、日本酒ならば1合、ビールならば大瓶1本、ウイスキーならばダブル1杯、ワインならばボトルの1/3にとどめるように推奨していますので、具体的な飲酒量の目安になるでしょう。

上記項目の2番目には運動があげられているとおり、がんの再発予防には、食事だけではなく、生活習慣全体についても気をつけたいところです。具体的な運動量に関しては、厚生労働省の「健康づくりのための運動指針2013」が参考になるでしょう。18~64歳の人は、毎日60分の歩行に相当する運動をおこなうことを指針では推奨しています。軽いジョギングならば30分、水泳では20~25分くらいが、60分の歩行に相当しますので、体を動かすようこころがけてみてはいかがでしょうか。

また、「日本人のためのがん予防法」によれば、たばこは吸わないようにし、他人のたばこのけむりもできるだけ避けるようにとあります。喫煙の習慣のある人は、この機会に禁煙することを考えましょう。


参考: